📖 経管栄養とは
経管栄養(けいかんえいよう)とは、口から食事が摂れない方に対して、チューブを通して栄養を直接消化管に送る医療的ケアです。 2012年の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、研修を修了した介護福祉士も一定条件下で実施できるようになりました。
🔴 介護福祉士が経管栄養を実施できる条件: ①介護福祉士の資格保有②「喀痰吸引等研修(第1号・第2号)」修了③医師の指示④看護師との連携体制の整備。この条件外では実施不可。
🔗 経管栄養の種類と特徴
| 種類 | 経路 | 適応 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 経鼻胃管(NGチューブ) | 鼻→食道→胃 | 短期間の栄養補給 | 挿入・抜去が容易。不快感あり。自己抜去リスク高 |
| 胃瘻(PEG) | 腹壁→胃 | 長期的な栄養補給 | 外観への影響少。QOL高。造設に内視鏡手術が必要 |
| 腸瘻(PEJ) | 腹壁→小腸 | 胃の機能不全・逆流リスク | 逆流・誤嚥リスクが低い。速度管理が重要 |
📋 胃瘻(PEG)からの栄養注入手順
- 医師・看護師の指示確認: 栄養剤の種類・量・速度・注入時間を確認
- 体位確認: 頭部を30〜45°挙上(半座位)。逆流・誤嚥予防のため
- 胃残量確認: 注入前に胃内残留量を確認(看護師が実施または指示を確認)
- 栄養剤の準備: 処方された栄養剤を体温程度(37°C前後)に準備。有効期限確認
- 接続と注入開始: チューブとラインを清潔に接続。指示された速度で開始
- 注入中の観察: 顔色・呼吸・腹部膨満・嘔気・嘔吐・漏れを観察
- フラッシュ: 注入終了後に白湯でチューブをフラッシュ(詰まり予防)
- 体位保持: 注入後30分〜1時間は頭部挙上を保持(逆流・誤嚥予防)
- 記録: 注入量・時間・観察事項を記録
⚠️ 合併症と緊急対応
| 合併症 | 症状 | 対応 |
|---|---|---|
| 誤嚥・誤嚥性肺炎 | 注入中の咳嗽・チアノーゼ・SpO₂低下 | 即座に注入停止。半座位を保つ。ナースコール |
| 嘔吐・逆流 | 悪心・嘔吐。チューブから逆流 | 注入停止。側臥位。ナースコール。速度が速すぎないか確認 |
| 腹部膨満 | 腹部の張り・不快感 | 注入速度を落とす。看護師に報告。胃残量確認 |
| チューブ閉塞 | 注入が進まない | 無理に押し込まず看護師に報告。白湯フラッシュの徹底 |
| 皮膚トラブル(PEG周囲) | 発赤・浸出液・肉芽形成 | 清潔保持。看護師・医師に報告 |
| 低血糖・高血糖 | 冷汗・ふるえ・意識変容 | 注入停止。バイタル確認。看護師に即報告 |
🧑⚕️ 介護士の役割と限界
✅ 介護士ができること(研修後)
胃瘻・経鼻経管からの栄養剤の注入。フラッシュ。注入中の観察と記録。異常時の報告。
❌ 介護士にできないこと
チューブの挿入・抜去・交換。胃残量確認(施設によって異なる)。栄養剤の種類・量の変更。医師への指示要請。
📋 必要な連携
医師の書面による指示→看護師の指導・監督→介護士が実施→看護師へ報告の流れを必ず守る。
⚠️ 異常時は即停止・報告
嘔吐・咳嗽・顔色不良・SpO₂低下など少しでも異常を感じたら即座に注入を止め看護師に報告。判断に迷わず停止が原則。
💬 Dialog 経管栄養
🏥 Dialog 1 — 経管栄養開始前の確認
介護士
看護師さん、田中様の経管栄養の準備ができました。指示書を確認します。メイバランス200mLを60mL/時の速度で、14時から注入でよろしいですか?
Suster, persiapan tube feeding Bu Tanaka sudah siap. Konfirmasi instruksi: May Balance 200mL dengan kecepatan 60mL/jam, mulai jam 14:00, betul?
看護師
はい、それで合っています。体位は30度挙上を忘れずに。もし嘔気や咳が出たらすぐ停止して呼んでください。
Ya, benar. Jangan lupa posisi 30 derajat. Kalau ada mual atau batuk segera hentikan dan panggil saya.
介護士
わかりました。観察しながら実施します。
Mengerti. Saya lakukan sambil mengamati.
🚨 Dialog 2 — 異常発生時の報告
介護士
看護師さん!田中様の栄養注入中に咳き込みが激しくなりました。すぐに注入を止めました。
Suster! Bu Tanaka batuk keras saat tube feeding berlangsung. Saya sudah langsung hentikan.
看護師
正しい判断です。すぐに行きます。SpO₂は測れていますか?
Keputusan yang benar. Segera ke sana. SpO2 sudah diukur?
介護士
92%です。いつもは97〜98%です。半座位は保っています。
92%. Biasanya 97-98%. Posisi semi-duduk tetap dipertahankan.
看護師
わかりました。到着するまでそのままでいてください。
Mengerti. Pertahankan kondisi itu sampai saya tiba.