💡 脳卒中後のケアは「急性期」「回復期」「生活期」で大きく変わります。介護施設は主に生活期を担い、残存機能を活かしながらQOLを維持することが目標です。
🧠 片麻痺(かたまひ)の基本理解
| 損傷部位 | 麻痺側 | 合併症状 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 左脳(左大脳半球) | 右片麻痺 | 失語症(言語中枢は通常左脳) | 理解は良好なことも、話せない辛さに共感 |
| 右脳(右大脳半球) | 左片麻痺 | 左半側空間無視・病態失認 | 左側の食べ物が見えない、自分の障害に気づかない |
⚠️ 「左半側空間無視」= 左側の空間を認識できない。食事の左側の皿が見えない、左側の壁にぶつかる、左側から近づいても気づかない。
🗣️ 失語症(しつごしょう)のケア
| 失語のタイプ | 特徴 | コミュニケーション工夫 |
|---|---|---|
| ブローカ失語(運動性) | 理解は比較的OK、話すのが困難 | Yes/Noで答えられる質問・文字板・絵カード |
| ウェルニッケ失語(感覚性) | 流暢に話すが内容が伝わらない、理解も困難 | ゆっくり短い言葉・繰り返し・絵や実物 |
| 全失語 | 話す・理解ともに重度障害 | 表情・身振り・表情・触れる |
💡 失語症は知能が下がったわけではない!「子供扱い」は厳禁。大人として尊重した関わりが重要。
🍽️ 嚥下障害(えんげしょうがい)と食事ケア
脳卒中後の嚥下障害特徴
片麻痺側の嚥下筋の麻痺→誤嚥しやすい。特に水・汁物は誤嚥しやすい。むせが少ない「不顕性誤嚥(サイレント アスピレーション)」に注意。SpO2の変動や食後の微熱で発見することも。
食事時の工夫
① 体幹を起こす(90度座位またはベッドアップ60度以上)
② 顎を引く(aspiration防止)
③ 麻痺していない側の口に食べ物を入れる
④ 左麻痺の場合、左側は見えにくいため右から提供
② 顎を引く(aspiration防止)
③ 麻痺していない側の口に食べ物を入れる
④ 左麻痺の場合、左側は見えにくいため右から提供
半側空間無視の食事対応
左空間無視の場合: 左側の食べ物を食べ残しやすい。定期的に左側を指差し注意を向ける。皿を回して右に移す工夫も有効。
観察・報告ポイント
むせ・咳・湿性嗄声・食後SpO2低下・微熱→即報告。食事量・摂取時間も記録。嚥下調整食のレベルは言語聴覚士(ST)と連携。
🧩 高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)
| 症状 | 日本語 | 介護での対応 |
|---|---|---|
| 注意障害 | ちゅういしょうがい | 静かな環境・一つずつ指示・繰り返し確認 |
| 記憶障害 | きおくしょうがい | メモ・スケジュール表・声かけで補完 |
| 遂行機能障害 | すいこうきのうしょうがい | 手順を分解して一つずつ伝える |
| 半側空間無視 | はんそくくうかんむし | 患側から声かけ・食事の工夫・環境整備 |
| 病態失認 | びょうたいしつにん | 自分の障害に気づかない→過信による転倒注意 |
| 感情コントロール障害 | かんじょうのうせいきべつ | 突然泣いたり笑ったりする→落ち着いて対応 |
♻️ 脳卒中後の生活期リハビリ支援
💡 介護職の役割: 毎日の生活の中でリハビリを「継続」させること。PT・OT・STが週数回行う訓練を、日常生活で活かす「生活リハビリ」が重要。
| 場面 | 生活リハビリの実践 |
|---|---|
| 食事 | 麻痺のない手でできる動作は自分で行う・箸からスプーンへの変更は本人と相談 |
| 更衣 | 脱健着患を守りながら、できる動作は本人に・時間をかけて見守る |
| 歩行 | PT指示の歩行練習を日常に取り込む・装具の装着確認 |
| コミュニケーション | ST指示の練習継続・日常の会話で言語機能を使う |
📖 脳卒中後遺症と介護
主な後遺症と介護対応
| 後遺症 | 症状 | 介護の具体的対応 |
|---|---|---|
| 片麻痺(へんまひ) | 片側の手足が動かせない | 脱健着患。健側から入浴。患側を傷つけない |
| 失語(しつご) | 話す・聞く・読む・書くが困難 | ゆっくり短い言葉で話す。絵カード・筆談も活用 |
| 嚥下障害 | 飲み込みが困難、誤嚥しやすい | 食事形態の工夫。座位確保。食後口腔ケア |
| 半側空間無視 | 片側の空間を認識できない | 食事で左側が残る→声かけ。環境整備で左側への注意を促す |
| 感情失禁 | 些細なことで泣いたり笑ったりする | 「脳の病気のためです」と理解。感情を否定しない |
💡 脳卒中後の自動車運転は医師の判断が必要。片麻痺・視野障害・認知機能低下がある場合は原則禁止。介護士は生活全体のリスクを意識する。
📚 Kosakata Penting
🧠 脳卒中後遺症の種類と介護対応まとめ
| 後遺症 | 症状 | 介護対応 |
|---|---|---|
| 片麻痺 | 片側の運動麻痺 | 脱健着患・健側を先に使う移乗・安全な歩行環境 |
| 失語症 | 話す/聞く/読む/書くの障害 | ゆっくり短く・絵カード・はい/いいえ質問 |
| 嚥下障害 | 飲み込み困難・誤嚥 | 食形態調整・頭部前傾座位・STと連携 |
| 半側空間無視 | 片側の空間を認識できない | 声かけ・食器配置の工夫・環境整備 |
| 感情失禁 | 些細なことで泣いたり笑ったり | 「脳の病気のため」と理解・感情を否定しない |
| 高次脳機能障害 | 記憶・注意・遂行機能の障害 | メモ活用・一度一つの指示・構造化された生活 |
💬 脳卒中後遺症の介護実践
🗣️ Dialog 1 — 失語症への対応
介護士
(ゆっくり、はっきりと)田中さん、今日は気分はいかがですか?(はい/いいえで答えられるよう)
(Pelan dan jelas) Bu Tanaka, hari ini bagaimana perasaannya? (Agar bisa dijawab ya/tidak)
田中さん
(うなずく)
(Mengangguk)
介護士
気分が良いんですね。では今日の食事、一緒に食堂へ行きましょうか?(絵カードを見せながら)
Perasaan baik ya. Kalau begitu makan hari ini, pergi ke ruang makan bersama? (Sambil tunjukkan kartu bergambar)
🏃 Dialog 2 — 半側空間無視への対応
介護士
山田さん、食事の左側にまだおかずが残っていますよ。左を見てみましょう。
Pak Yamada, di sisi kiri makanan masih ada lauk. Coba lihat ke kiri.
山田さん
あ、気がつかなかった。
Oh, tidak sadar.
介護士
脳の病気のせいで左が見えにくくなっているんですよ。意識して左を確認する練習をしましょうね。
Karena penyakit otak, sisi kiri jadi susah terlihat. Mari latihan secara sadar cek sisi kiri.
🧠 Latihan Soal & Pembahasan
📚 重要語彙 — 脳卒中後遺症(詳細)
🔊 脳卒中
nōsocchū
stroke
🔊 片麻痺
henmai
hemiplegia
🔊 失語症
shitsugo-shō
afasia
🔊 構音障害
kōon shōgai
disartria / gangguan bicara
🔊 嚥下障害
enge shōgai
disfagia
🔊 高次脳機能障害
kōji nō kinō shōgai
gangguan fungsi kognitif tinggi
🔊 半側空間無視
hansoku kūkan mushi
hemineglect
🔊 脳梗塞
nōkōsoku
infark serebral / stroke iskemik
🔊 脳出血
nō shukketu
perdarahan otak
🔊 くも膜下出血
kumomakunouka shukketu
perdarahan subaraknoid
🔊 リハビリテーション
rihabiri
rehabilitasi
🔊 回復期
kaifuku-ki
fase pemulihan
🔊 良肢位
ryōshii
posisi fungsional
🔊 FAST
FAST
Face-Arm-Speech-Time (tanda stroke)
🔊 tPA
tPA
tissue plasminogen activator